SNSのアルゴリズムを自分で操作できる時代に

「見たいものだけ見る」がSNSでも現実になってきた

テレビからNetflixへの移行を思い浮かべてみてください。一律に決まった番組が流れるのではなく、自分の好みに合わせたコンテンツが提案される仕組みです。SNSの世界でも、今まさにそれと似た変化が起きています。

Threads、Instagram、TikTokの3つのプラットフォームが、ユーザー自身がフィードの推薦アルゴリズムに直接働きかけられる機能を、それぞれのかたちで提供し始めました。これまでのSNSは、「見たくない投稿を非表示にする」程度の受動的な調整しかできませんでしたが、新しい機能では「このトピックをもっと見たい」という積極的な指示が可能になっています。

Threadsの「Your Algo」:公開せずに好みを伝える

Threadsは2026年6月16日、「Your Algo」という機能を導入しました。以前の「Dear Algo」では投稿という形で好みを表明する必要がありましたが、今回の新機能では公開投稿をせずにアルゴリズムへ直接リクエストを送ることができます。

たとえば「テクノロジー系の投稿をもっと表示してほしい」「政治的な話題は少し抑えてほしい」といった指定が、フォロワーに見られることなく設定できます。さらに使い勝手がよいのは、設定の有効期間を1日・3日・7日から選べる点です。旅行中は旅行関連のコンテンツを増やして、終わったら元に戻す、といった一時的な使い方も想定されています。

Instagramの「Your Algorithm」:フィード全体を横断して調整

Instagramでは2026年6月初旬から、「Your Algorithm」と呼ばれるツールが提供されています。これはThreadsの機能よりも少し幅広い仕組みで、自分のフィード推薦に現在どんなトピックが影響しているかを確認した上で、フィード・Explore・Reelsの3つの場所をまとめて調整できます。

たとえばInstagramでフィットネス系の投稿をよく見ている人が「最近は料理の情報も増やしたい」と思ったとき、従来は投稿を手動でいくつか探してエンゲージするくらいしか方法がありませんでした。この機能があれば、設定画面から直接リクエストする形で、より短時間でフィードの内容を変えていくことが期待できます。

TikTokの「Manage Topics」:スライダーで細かく設定

TikTokは2024年から「Manage Topics」を提供しています。スポーツ、旅行、ユーモア、時事、ダンス、食べ物などのトピックについて、スライダーを動かす形で表示量を増減できる仕組みです。視覚的に操作しやすく、細かい調整がしやすい設計になっています。

TikTokはもともとアルゴリズムの精度が高く評価されているプラットフォームですが、そこにユーザー側の制御機能が加わることで、「アルゴリズムに踊らされる」感覚が和らぐ可能性があります。

この変化が意味すること

今回の動きに共通しているのは、プラットフォームがユーザーに「アルゴリズムの制御権の一部」を渡し始めているという点です。推薦システムにはAIが使われており、ユーザーの興味・行動・トピック選好を学習して表示内容を更新する仕組みになっています。これまではプラットフォーム側が全面的にコントロールしていたそのプロセスに、ユーザーが入り込めるようになったわけです。

ただし注意点もあります。各機能の提供範囲はまだ限定的で、すべての地域やアカウントに同時展開されているかどうかは明確ではありません。Threadsの新機能については米国・カナダ・英国での展開が示唆されていますが、日本語環境での対応状況は現時点では不明です。自分のアカウントで設定画面を確認してみるのが確実な方法です。

フリーランスへの影響

SNSを情報収集に使っているフリーランサーにとって、この変化はまず「インプットの質を上げる」面で恩恵があります。自分の仕事領域に関連するトピックを優先表示させることで、ノイズの多いフィードをスクロールし続ける時間を減らせる可能性があります。

一方、SNSを発信やマーケティングに活用しているコンテンツ制作者やマーケターには、少し違う視点も必要です。ユーザーが特定のトピックを「少なく表示」に設定できるということは、これまでアルゴリズムに乗っていたコンテンツが届きにくくなるケースも出てくることを意味します。自分のコンテンツが「見てほしいユーザーに選ばれるかどうか」という観点が、今後ますます重要になってくるかもしれません。

特にInstagramやThreadsを使って仕事の情報発信をしているフリーランサーには、ユーザーが自分のフィードをより意識的に管理するようになるという流れを頭に入れておくと、発信内容の方向性を考える参考になりそうです。

まとめ

ThreadsのYour Algo、InstagramのYour Algorithm、TikTokのManage Topicsは、いずれもすぐに試してみる価値があります。設定画面に該当機能が表示されていれば、まず使い勝手を確かめてみてください。まだ自分のアカウントに展開されていない場合は、数週間後に改めて確認してみるのがよさそうです。

参考元記事:Social platforms are now letting you influence your own algorithm – TechCrunch

コメント

タイトルとURLをコピーしました