なぜいま「画面を離れる」スタートアップが注目されているのか
AI技術の進化が加速する一方で、テック業界の一角でまったく異なる方向性を追う動きが出てきています。TechCrunchが公開した動画コンテンツでは、スマートフォンや画面への依存を和らげ、対面での体験や人とのつながりを重視するスタートアップを特集しています。単なるAI疲れや反動という話ではなく、より人間らしいリアルな体験を求める流れが、自然と生まれてきているという見方をしています。
注目されているプロダクトのひとつが「Board」です。フィットネスミラー「Mirror」の創業者であるBrynn Putnamが立ち上げたスタートアップで、対面のゲームやソーシャル体験を通じて人を集めることを目的にしています。デジタルコンテンツを消費させるのではなく、人が物理的に集まり、一緒に何かをするきっかけをつくる設計思想が根底にあります。Putnamはすでに資金調達を完了しており、実際に事業として走り始めている段階です。
DIYコンピュータ「Cyberdeck」も話題に
もうひとつ紹介されているのが、Cyberdeck系の制作者たちが作る遊び心のあるDIYコンピュータです。Cyberdeckとは、既製品のノートパソコンやスマートフォンとは異なり、自分で部品を選び組み立てる手作りのコンピュータのこと。機能的な効率よりも、作る楽しさや使う感触を重視した作品が多く、「touch grass(もっと外に出ろ)」という言葉を体現するようなコンセプトのものが特に話題を集めています。
これらのプロダクトに共通しているのは、スクリーン滞在時間を最大化しようとする従来のテックプロダクトとは真逆の価値提案をしている点です。SNSやアプリの多くは、いかにユーザーを長く画面の前に引き留めるかを設計の軸にしています。それに対して、BoardやCyberdeckは意図的にその逆を選んでいます。
AI中心のトレンドと逆行するように見えて、実はつながっている
フリーランスや個人事業主として日々AIツールに触れていると、「もっと便利に、もっと速く」という方向性ばかりが目に入りがちです。ただ、今回のTechCrunchの特集が示しているのは、テック業界全体としては、効率一辺倒ではない価値観がじわじわと浸透してきているという流れです。
たとえばプロダクト設計やUXの仕事をしているフリーランスにとっては、「オフライン体験」や「対面の場づくり」というキーワードが、今後のクライアントニーズに出てくる可能性があります。イベント設計やコミュニティ運営に関わる仕事をしている人にも、この動向は参考になるかもしれません。
また、自分自身の働き方として、意識的にスクリーンから離れる時間をつくることが、長期的な生産性につながるという視点もあります。AIツールを使いこなすことと、使いすぎないことのバランスを意識することは、フリーランスとして継続的に働き続けるうえで、今後ますます重要になってくるテーマかもしれません。
フリーランスへの影響
今回の動向が直接的に「このツールを使えば仕事が効率化する」という話ではないことは確かです。ただ、プロダクト開発、マーケティング、コミュニティ設計といった分野のフリーランスにとっては、クライアントや市場の価値観の変化を読む情報として捉えておく価値はあります。
特に「体験設計」や「オフライン施策」を扱う案件は、AI効率化の文脈とは別の需要として今後も一定数存在し続けるでしょう。完全にデジタルで完結するサービスだけでなく、リアルな接点を大切にするプロダクトやブランドのニーズに応えられるスキルセットは、差別化につながる可能性があります。
また、自分自身の話として、スクリーンから意識的に距離を置く習慣をつくることで、アイデアの質が上がったり、クライアントとの対話がより深くなったりする経験を持つフリーランスは少なくありません。効率化ツールと同じくらい、意図的なオフタイムも仕事の質に影響します。
まとめ
BoardやCyberdeckのような動きは、まだニッチな潮流ではあります。ただ、テック業界が常に「次に何が来るか」を先取りしてきた歴史を考えると、こういった逆張りの動向は無視しにくいものがあります。今すぐ何かを変える必要はありませんが、頭の片隅に入れておくと、数年後に「あのとき気づいていてよかった」と思える情報になるかもしれません。興味があれば、TechCrunchの元動画コンテンツをチェックしてみてください。
参考:TechCrunch

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