「表示」のための契約、学習利用とは別の話
今回の提携で注目すべきは、AIモデルの学習データとして画像を使う契約ではなく、あくまでChatGPTの画面上に画像を「表示する」ための契約だという点です。これはこれまでのAIと著作権をめぐる議論とは少し文脈が異なります。
生成AIが著作権者に無断で学習データを使っているとして問題になるケースが増えるなか、ゲッティイメージズは正規のライセンス契約に基づいてOpenAIと手を結びました。表示される画像には出典が明示されるため、「この写真はどこから来たのか」がユーザーにもわかる仕組みになっています。権利処理の透明性という観点では、一歩前進した動きといえるでしょう。
ChatGPTの検索体験がどう変わるか
これまでChatGPTで何かを調べると、テキストで回答が返ってくるのが基本でした。今後は、質問の内容に応じてゲッティイメージズ、iStock、Unsplashといったブランドのライセンス画像が一緒に表示されるようになります。たとえば「持続可能なオフィスデザインのトレンドを教えて」と聞いたとき、文章の回答とともに関連する写真が添えられるイメージです。
視覚的な情報が加わることで、調べものの体験がよりわかりやすくなる可能性があります。テキストだけでは伝わりにくいデザインや空間、製品の雰囲気なども、画像があればより直感的に把握できます。リサーチやアイデア収集を頻繁に行う方にとっては、使い勝手が変わる場面も出てくるかもしれません。
契約の詳細と今後の不明点
今回の発表では、契約金額や具体的な提供開始時期、対応地域などは明らかにされていません。また、日本語でChatGPTを利用した場合に同様の画像表示が適用されるかどうかも、現時点では確認できない状況です。
また気になる点として、今回の契約が「表示利用」を対象とするものだという説明はありますが、画像がAIの学習データに使われているかどうかについては明示されていません。権利処理に敏感な方や、自分の写真素材を誰かに使われたくないというクリエイターにとっては、この点の続報を待つ必要があるかもしれません。
フリーランスへの影響
フリーランスのライターやマーケターにとって、この提携がすぐに大きな変化をもたらすわけではありませんが、少し先の使い方を想像すると面白い可能性が見えてきます。たとえばクライアントへの提案資料づくりのためにChatGPTでリサーチしている際、テキストの回答と一緒に関連画像が表示されれば、「このビジュアルをそのまま使えるか」と考えるきっかけになります。
ただし、ChatGPT上に表示された画像をそのまま商用利用できるかどうかは、ゲッティイメージズのライセンス条件に依存します。画像が出典付きで表示されるとはいえ、それは「使用許可が与えられた」ことを意味しません。コンテンツ制作の現場で使いたい場合は、別途ライセンスを取得する必要があります。この点は誤解しないようにしておきたいところです。
一方で、リサーチや情報収集のスピードが上がるという意味では、作業の効率化につながる場面はありそうです。特に「この分野のビジュアルトレンドを把握したい」というような調べものの場面では、画像と文章が同時に得られるのは便利です。デザイナーやコンテンツディレクターにとっては、インプットの幅が広がる体験になるかもしれません。

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