複数ツールを1回で実行できる新機能
これまでのGemini APIでは、Google検索で情報を取得してから、その結果を使って別の処理を実行する場合、複数回のリクエストを送る必要がありました。今回のアップデートで、Google検索と自作の関数を同時に指定して、1回のリクエストで処理できるようになっています。
たとえば「アメリカで最も北にある都市を調べて、その都市の天気を教えて」というリクエストを送ると、Gemini APIがGoogle検索で都市名を特定し、続けて天気取得の関数を呼び出してくれます。開発者が途中で結果を受け取って次の処理を組み立てる手間が省けるため、コードがシンプルになります。
この機能を使うには、APIリクエストの設定で「include_server_side_tool_invocations」をTrueにする必要があります。対応モデルは「gemini-3-flash-preview」で、無料プランでも利用できますが、リクエスト数には制限があります。
並列実行とGoogle Mapsの活用
複数の関数を同時に実行する「並列関数呼び出し」にも対応しました。たとえばECサイトで、在庫確認と配送日数の見積もりを同時に取得する処理を1回のリクエストで完結できます。デモでは、ワイヤレスヘッドフォンの在庫が342個あることと、配送に2日かかり送料が5.99ドルであることを、同時に取得していました。
それぞれの関数呼び出しには一意のIDが割り当てられるため、結果を正しく紐付けられます。APIのレスポンスを処理する際、IDを照合して適切な関数の結果を取り出す仕組みです。この仕組みがあることで、複数の処理が混ざっても正確に結果を扱えます。
Google Mapsのグラウンディング機能も追加されました。緯度経度を指定して、その周辺のレストランやカフェを検索できます。ロサンゼルスのダウンタウンでイタリアンレストランを探したり、サンフランシスコの1日観光プランを提案させたりするデモが公開されています。リアルタイムの位置情報を使ったアプリを作りたい場合に便利な機能です。
実際の使い方とコード例
Googleが公開しているデモの1つに、オースティンのホテルに滞在中、高評価のBBQレストランを探して予約するシナリオがあります。このデモでは、Google検索でレストランを見つけ、予約関数を呼び出して確認番号を取得するまでの流れを自動化しています。予約には店名、人数、日時をパラメータとして渡す必要があり、結果として「BBQ-2026-4821」という確認番号が返されました。
もう1つのデモでは、Google検索でアメリカの国債データを取得し、コード実行機能で1人あたりの債務額を計算し、その結果を保存する一連の処理を自動化しています。人口3億3500万人を使って計算を実行し、最後に「analysis-001」というIDで記録しました。このように、検索、計算、保存という複数の処理を連鎖させることができます。
コードを書く際の注意点として、会話履歴にはすべての処理内容を含める必要があります。また、関数の結果を返すときには、対応する関数呼び出しのIDと一致させることが必須です。この設定を間違えると、並列実行した際に結果が正しく紐付きません。
使えるモデルと料金
ツール組み合わせ機能は「gemini-3-flash-preview」で利用でき、Google Mapsグラウンディングは「gemini-2.5-flash」や「gemini-2.5-pro」が対応しています。無料プランでも試せますが、リクエスト数に制限があるため、本格的に使う場合は有料プランを検討する必要があります。料金の詳細は公式ドキュメントで確認できます。
フリーランスへの影響
この機能は、チャットボットや自動化ツールを開発しているフリーランスにとって、開発時間を大幅に短縮できる可能性があります。これまで複数のAPIリクエストを組み合わせて処理していた部分を、1回のリクエストにまとめられるため、コードの見通しが良くなり、エラー処理もシンプルになります。
特にロケーションベースのアプリを作っている方には、Google Mapsグラウンディングが役立ちます。リアルタイムの店舗情報や観光スポットのデータを使ったサービスを、比較的少ないコードで実装できるようになります。たとえば旅行プランの提案ツールや、地域限定のクーポン配信アプリなど、位置情報を活用したサービスの開発が現実的になります。
ただし、無料プランではリクエスト数に制限があるため、顧客向けのサービスとして提供する場合は、利用規模に応じたプラン選択が必要です。まずは自分のプロジェクトで動作確認をして、どの程度のリクエスト数が必要か見積もってから、本格導入を判断するのが現実的です。
まとめ
Gemini APIの新機能は、複数のツールを組み合わせたワークフローを構築する際の手間を減らしてくれます。すでにAPIを使った開発経験がある方なら、GitHubで公開されているコード例を参考に、すぐ試せる内容です。無料プランで動作確認をして、自分のプロジェクトに合うか判断してみてください。公式ドキュメントには詳しい設定方法や注意点が記載されています。
参考リンク:
Gemini API Tool Combination – https://ai.google.dev/gemini-api/docs/tool-combination
Gemini API Maps Grounding – https://ai.google.dev/gemini-api/docs/maps-grounding
Full Codes – GitHub Marktechpost AI


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