PerplexityのDeep Research、20モデル連携で資料まで自動生成

「調査して終わり」から「成果物まで完成」へ

従来のDeep Researchは、複雑な質問に対して複数のウェブページを検索・要約し、長文のレポートにまとめてくれるツールでした。それ自体でも十分便利でしたが、Perplexityは今回さらに大きな一歩を踏み出しました。「Computer」と名付けられたクラウドシステムの中にDeep Researchを組み込み、調査から成果物の作成まで一気通貫で処理できるようにしたのです。

Computerが公開されたのは2026年2月下旬のこと。最大20のAIモデルを1つのワークフローの中で連携させるというアーキテクチャが特徴です。中心的な役割を担うのはOpus 4.6という推論エンジンで、そこから派生するサブエージェントがタスクの内容に応じて専門モデルに処理を振り分けます。たとえば、法務系の推論が必要な箇所では法務特化モデルが、データ集計が必要な箇所ではデータ処理モデルが担当するといった具合です。

「Search as Code」で数千回の検索を並列実行

今回の最大の技術的な目玉が「Search as Code」という仕組みです。これは、モデル自身が検索の実行コードを生成し、数千回規模の情報取得ステップを並列で走らせることができる機能です。人間が1件ずつ検索して読み込むのとは桁違いのスピードで、一次ソースを含む複数のウェブページを横断的に収集できます。

PitchBookやCB Insightsといったプレミアムなビジネスデータソースも利用されるため、質の高い情報を元にした調査が可能になっています。また、各主張には引用が自動的に付与される設計になっているので、「どこからの情報か」を後から確認しやすい点も実務面では助かります。

Search as CodeはComputerだけでなくAgent APIでも展開されており、開発者は同じ検索基盤をプログラムから呼び出すことができます。自社サービスやワークフローに組み込みたい場合は、Agent APIを通じて活用するルートが用意されているわけです。

レポートだけでなく、デッキやダッシュボードまで生成

特にフリーランスにとって興味深いのが、出力できる成果物の幅広さです。従来は「長文レポートが出てくる」というイメージが強かったDeep Researchですが、Computer内ではレポートのほかに、プレゼンテーション用のデッキ、ブリーフ、ダッシュボード、そしてライブスプレッドシートまで生成できるとされています。

たとえば、競合調査を依頼した際に、テキストのまとめだけでなくそのままクライアントに見せられるスライド形式で出力されたり、複数社の数値をスプレッドシートに整理した状態で受け取れたりするイメージです。これまで「調査→整理→資料化」と段階的にこなしていた作業が、ひとつの指示でまとめて処理される可能性があります。

なお、Computerはファイルを直接読み書きする機能も持っていますが、変更を加える前にプレビューが表示され、ユーザーが承認または拒否できる仕組みになっています。AIが勝手にファイルを書き換えてしまう、という事態は防げる設計です。

現時点での制限と注意点

便利な機能が多い一方で、いくつか注意しておきたい点もあります。法務系のデータ連携については現在プレビュー段階であり、使える機能やデータソースに制限があります。法律関連の調査にそのまま活用するのは、まだ時期尚早かもしれません。

また、日本語への対応状況や利用可能な地域については現時点で明確な情報がありません。日本語での指示や出力がどこまで正確に機能するかは、実際に試してみるまで分からない部分があります。利用できるのはPerplexity Maxのユーザーと、Agent APIを使う開発者です。Agent APIは従量課金制となっています。

フリーランスへの影響

この変化が最も直接的に響くのは、調査・資料作成を仕事の一部として担っているフリーランスです。マーケティングリサーチ、競合分析、業界レポートの作成、コンサルティング資料の下書きといった作業は、これまで数時間から丸一日かかることも珍しくありませんでした。それがComputerとSearch as Codeによって、下調べの部分だけでなく資料の形まで整えてもらえるとすれば、作業時間の見直しにつながるかもしれません。

ただし、AIが生成した成果物をそのまま納品するわけにはいきません。引用の正確性の確認や、クライアントのニーズに合わせた調整は依然として人間の判断が必要です。「時間を節約してより多くの案件を回す」「空いた時間を企画や提案に使う」といった使い方が現実的なところでしょう。また、開発者であればAgent APIを活用して社内ツールや受託システムに組み込む選択肢もあります。

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