ChatGPT内でストリーミング作品を探せる時代へ
動画配信サービスのTubiが、ChatGPT内で直接コンテンツを検索できるアプリを公開しました。NetflixやAmazon Prime Videoといった主要サービスとしては初の事例です。
使い方はシンプルで、ChatGPTのプロンプトに「@Tubi」と入力するだけ。そのあとは「面白いコメディが見たい」「女子会向けのスリラーを教えて」といった自然な言葉で検索できます。AIが30万本以上の映画とテレビエピソードのライブラリから推奨作品をピックアップし、Tubi上で視聴可能なタイトルへ直接リンクしてくれる仕組みです。
この動きの背景には、OpenAIが2024年10月に開発者向けに公開したChatGPT内アプリ構築機能があります。すでにBooking.com、Canva、DoorDash、Expedia、Spotify、Figma、Zillowなど数十の企業が統合を進めており、Tubiもその流れに乗った形です。
Tubiにとっての戦略転換
実はTubiは2023年、自社のモバイルアプリ内に「Rabbit AI」というChatGPT 4を搭載した機能を導入していました。ユーザーが質問を投げかけると、パーソナライズされた推奨作品を返してくれるというものです。ただ、このツールは翌年に廃止されています。
今回のChatGPT統合は、その反省を踏まえた戦略的な転換と見ることができます。自社アプリ内でAI体験を作り込むのではなく、ユーザーがすでに日常的に使っている場所、つまりChatGPTの中に出向いていくという発想です。ChatGPTは2025年2月時点で週間アクティブユーザー9億人に達しており、Tubiの月間アクティブユーザー1億人以上と比べても、圧倒的にリーチできる母数が大きいのです。
NetflixやAmazon Prime Videoも各プラットフォーム内でAI駆動の推奨機能を試験的に導入していますが、あくまで自社サービス内にとどまっています。Tubiのように外部のAIプラットフォームに専用体験を構築したのは、主要ストリーミングサービスとしては初めてです。
新しいクリエイター支援プログラムも始動
TubiはChatGPT統合と並行して、「Creatorverse Incubator」という新しい取り組みも発表しています。これは新興のコンテンツクリエイターを支援するプログラムで、Tubi上で独占デビューするオリジナル番組に対して、宣伝支援や資金調達の機会を提供するというものです。大手配信サービスがオリジナルコンテンツ制作に力を入れる中、Tubiは無料サービスでありながらクリエイターエコノミーへの参入を狙っています。
フリーランスへの影響
このTubiの動きは、直接的にはエンターテインメント業界の話ですが、フリーランスや個人事業主にとっても示唆に富んでいます。
まず、自社サービスを構築するよりも、既存の大規模プラットフォームに統合する方が効率的な場合があるという点です。TubiはAI機能を自前で作るのをやめ、ChatGPTという9億人が使う場所に出向きました。フリーランスの方も、自分のウェブサイトやアプリを作り込むよりも、既存のプラットフォーム(SNS、マーケットプレイス、AIツールなど)に最適化した方が、集客やマネタイズが早く進む可能性があります。
また、AIを活用したコンテンツ発見の仕組みが一般化していることも見逃せません。ライターやデザイナー、マーケターといったクリエイティブ職のフリーランスにとって、自分の作品やサービスをAIが推奨しやすい形で整えることが、今後ますます重要になってくるでしょう。
Creatorverse Incubatorのようなクリエイター支援プログラムが増えている点も注目です。動画クリエイターだけでなく、ライティングやデザインの分野でも、プラットフォーム側が独占コンテンツや先行公開に対して資金や宣伝支援を提供する流れが広がる可能性があります。
まとめ
TubiのChatGPT統合は、ストリーミング業界の新しい動きであると同時に、フリーランスにとっても参考になる戦略転換の事例です。自前主義にこだわらず、ユーザーがいる場所に出向くという発想は、個人事業主の集客やマーケティングにも応用できます。ChatGPT内のアプリ統合は今後も増えていくため、自分の業種や提供サービスがどう関われるか、情報収集しておくとよいでしょう。
参考記事:TechCrunch


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